背泳ぎのスタートには、他泳法とは明確に異なる壁を蹴るという点があります。
また、高速なターンにもうまく壁を蹴ることが欠かせません。
今回は壁を蹴るという点に着目して、背泳ぎのスタートとターンのコツを解説していきます。
スタートは手を離した直後に斜め上にキック
まずキックするためには、きちんとキックできる姿勢を取ることが必要です。
背中を丸めるのが一時期の主流でしたが、現在は背中を伸ばすフォームが人気です。
競技自転車をこぐ際の姿勢の向きを変えたような形になります。
最も大切なスタートのキックのコツは、水面から30~45度の範囲内で壁を蹴り終えられていることです。
その為には、壁から手を離した直後にキックする必要があります。
この時、しっかり斜め上に向かってキックしないと飛距離が足りず、一度に全身で着水して減速してしまいます。
まず斜め上にキックできていれば、指先が最初に水に付きます。
そこでキックを終えて伸びきった足を一度、一気にすいっと水上に出します。
腹筋を使って身体をそらすとうまくいきやすいです。
こうして足を出して、指→腕→腹→足の通常の飛び込みと同様に一点入水を行い背泳ぎのスタートが完成するのです。
ターンはなるべく小さく回る!
続いて、背泳ぎのターンのコツです。
なお、今回紹介するのはクイックターンです。
比較的最近背泳ぎで解禁されたので、良く知らないというベテランの方も是非ここでマスターしてください。
まずターンの準備ですが、5mのフラッグから何掻きで壁に付くかを覚えてください。
そうしないとターンの準備に入れません。
続いて壁の手前でうつ伏せ方向に身体をひねります。
ただ、壁に付く前に90度以上ひねっていると失格になるので気を付けましょう。
そして壁の近くになったら、身体を回転させて足を壁に向けます。
この時なるべく身体を小さく回転させましょう。
うまく回転できていれば、身体は仰向けになって足が壁に向いているはずです。
この時回転半径が大きすぎたり壁に到達するタイミングを計りそびれていると、十分に壁に近付けておらずキックの威力が大幅に落ちたり、キック自体ができなくなってしまいます。
そしてターンが終わったら、ドルフィンキックを仰向けで行います。
これはバサロキックと呼ばれるもので、背泳ぎのターンがバサロターンと呼ばれるのはこれの為です。
15m以上潜水で進むことはルールで禁止されていますが、そこまではバサロキックで進んで大丈夫です。
まとめ
○スタートは斜め上に、壁から離れた直後にキック
○指が付いたら足を一度腹筋の力で上げる
○5mフラッグから壁まで何掻きか覚える
○壁ギリギリで小さくターンして潜水に移る
背泳ぎのスタート・ターン共に様々なコツがあります。
そのコツをどれだけつかんで練習できるか、実践できるかが背泳ぎ最大のカギです。
皆さんもこれらのコツを意識して練習してみてください。