水泳を指導する方にとって、平泳ぎを習得させるのは中々難しいものです。
平泳ぎは水泳でもそれ以外でも経験したことの無い動きが多くありますので、初心者の方は理解しにくいのです。
柔軟な子供に指導するならまだしも水泳を始めたばかりの大人に指導する時、彼らは未経験の動きにますます対応できなくなっています。
そんな時に、少しでも慣れてもらうための指導のちょっとしたコツをお教えします。
まずはひとかきひとけりして進んでもらう
平泳ぎを教えるには、まずひとかきひとけりを指導します。
といっても、スタートとは関係ありません。
腕で一回掻いて、キックを一回行うという動作を習得してもらいます。
この時、息継ぎは必要ありません。
それぞれ一回ずつ掻けたら、あとは蹴伸びで進んでもらいましょう。
これを繰り返して、ストロークとキックをどのタイミングで打つかを学ばせるのです。
あおり足に注意!
平泳ぎの指導で最も引っ掛かりやすいのが、このあおり足です。
今まで学んでいたバタ足とは全く逆の足の動きなので、ごちゃまぜになりやすいのです。
もし生徒があおり足になっているなら、一度プールサイドでキックの練習をさせましょう。
生徒にプールサイドの壁を手で掴んで伸びてもらい、その状態から足首を掴んで前へ進みましょう。
足首を曲げたままにさせて直進すれば、平泳ぎのキックの引き付けと同様の動作になります。
それでもよくわからない方には、両足のかかとをぶつける形をイメージしてもらうと良いでしょう。
あまり足首を上げ過ぎると、それに合わせて身体を反らそうとしてしまうので気を付けてください。
それが出来たら、そこから足を伸ばしてキックするところまで足首を掴んだまま再現してあげてください。
息継ぎを覚えさせて平泳ぎを完成させる
ひとかきひとけりを覚え、あおり足の問題がないか矯正出来たら、最後に息継ぎです。
まず、水中に立って腰を90度に曲げてもらい、平泳ぎの掻きをしてもらいましょう。
生徒によって個人差はありますが、およそ手が胸の下に進もうとするところで上半身に強い浮力を感じてくれるはずです。
そのタイミングが息継ぎをするタイミングなので、立ったまま何度も練習してもらってください。
万が一水を飲んでも溺れる心配がないので、生徒も安心して練習できます。
このタイミングをマスターしたら、先ほどのひとかきひとけりと組み合わせましょう。
先ほどの練習が十分できていれば、ひとかき・呼吸・ひとけりのリズムが完成しています。
あとはこれを繰り返してもらえば、平泳ぎの指導は成功です。
まとめ
○ひとかきひとけりで掻きとキックのタイミングを掴んでもらう
○あおり足は足首を掴んで前後させて矯正する
○息継ぎは立って覚えさせる
平泳ぎに限らず、水泳の指導はいきなり泳ぎ方だけを教えて泳がせる、という形になりがちです。
しかし、それでは良くないクセやフォームを覚えてしまうこともあります。
順序を追って、しっかりと学習してもらいましょう。