平泳ぎの推進力は、実はほとんどがキックから生み出されます。
多くの泳法と違って、平泳ぎのプルはどちらかと言えば息継ぎとキックの補助の為の物になっています。
ですが、そのキックのタイミングを間違えてしまうと殆ど進まなくなってしまいます。
正しいキックのタイミングを覚えることが平泳ぎを速くする第一歩と言えるでしょう。
足を引き付け始めるのは息継ぎの直後、手を前に戻す時
まず、キックを打つための足の引き付けのタイミングです。
皆さんの中にも、平泳ぎで手足を同時に動かすよう習った方は多いでしょう。
初心者にとってはその方が浮きやすいのも事実ですが、同時にプルの際抵抗を大きく受けてしまうことにもなります。
正しい平泳ぎのキックの引き付けのタイミングは、手を前に戻す丁度その時になります。
何故このタイミングが正しいのかと言えば、水の抵抗による減速を最も小さくできる為です。
キックを引き付ける時にも、手を前に戻すときにも抵抗が生まれ、速度が落ちます。
ところが水の抵抗は速度の2乗に比例するので、この二つは速度が速いときに行えば行うほど速度を大きく落としてしまうことになります。
逆に言えば、足の引き付けを手を戻すという元々速度が遅くなるタイミングで行うことで、結果的に速度の減少を最小限に抑えられるのです。
しっかりこのタイミングが合っていれば、足を引くときに抵抗をほとんど感じなくなります。
何度も練習してしっかりそのタイミングを掴みましょう。
キックを放つのは手が伸びるのと同時
そして最も重要なキックのタイミングですが、水に入れた手が伸びきる時が最も良いです。
先ほど挙げたように、キックは平泳ぎで最大の推進力を持ちます。
従って抵抗が最も少ない時、つまり手が伸びている時にキックを放つのが最適です。
また加えて、手が伸びきる時というのは上半身に前へ進む勢いが残っています。
その勢いを殺さずに前へ進めるという点でも、このキックのタイミングは優れています。
実際に上手いタイミングでキックを放つと、身体がすうっと前へ進んでいく感覚が得られます。
その感覚を何度も味わってタイミングを合わせましょう。
まとめ
○キックは平泳ぎの推進力の要
○足を引き付けるのは手を前に戻し始めたとき
○キックのタイミングは手が伸び切ったとき
平泳ぎのキックは、水泳に限らず他にない独特の動きを必要とします。
その為苦手とする人も多いのですが、キックのタイミングさえ合えば他のどのキックよりも気持ちよく進む感覚を味わえます。
皆さんもしっかり練習をして、進む感覚を味わってくださいね。