小学校での水泳の指導というのは大変なものです。
一人一人どれだけ泳げるか、どれだけ泳ぎたいかが異なるのですから。
なので、常にこうすれば子供が泳げるという指導法はありません。
ですが、水泳を子供が楽しめるようになる指導ならば小学校でも十分に可能です。
まずは水で遊んでからボビング
直接水泳の指導には関わりませんが、水に慣れてもらうために遊んでもらいます。
遊びの内容は様々ですが、追いかけっこや歩いて流れを作る流れるプールなど水に触れる練習になるものをまず最初に行います。
子供たちがそれに慣れたら、石拾いなど水に潜る練習になるものを織り交ぜましょう。
そうして水に慣れた子供たちに、ボビングをしてもらいましょう。
ボビングとは、水中に立ってジャンプしながら顔を出し入れして呼吸しながら上下動するという動きの事です。
後々泳ぐ際に必要な息継ぎのタイミングを学ぶことが出来る為、大変重要です。
最初はゆっくり子供たちのペースに合わせて、徐々にスピードを上げるようにしてください。
蹴伸びの姿勢だけはしっかり教える
それらが終わったらいよいよ水泳の指導です。
まずは蹴伸びの練習なのですが、このとき蹴伸びの姿勢だけはしっかりと教えてください。
蹴伸びはあらゆる泳ぎの基本となる動きなので、ここが上手くできていないと泳げないことも多いです。
小学校の水泳の授業で出来る指導は多くはありませんので、ここではひっぱりをお勧めします。
蹴伸びの体勢のうち手を組んで伸ばすこと、顎を引くこと、リラックスすることをまず教えます。
そしてその蹴伸びを子供たちにしてもらってから、手の先を掴んで引っ張るのです。
すると体が流線型に自然に近づきます。特に足が揃うことが大きいでしょう。
子供たちにその感覚を自分で覚えてもらい、後はその練習をさせます。
これだけで指導効率は大幅に上がり、蹴伸びが出来るようになってくる子が増えます。
出来なかった子には都度指導してあげるか、出来る子に教えてもらう手もあります。
皆が蹴伸びを出来るようになってから、ビート板での練習に入ります。
蹴伸びがしっかりできていればすぐに10メートルくらいまでビート板で泳げるようになります。
ここまで出来たらあとは簡単です。まだ小学校の子供たちは泳ぐという新しい感覚をすぐ楽しんでくれるようになります。
あとは生徒たちの状況に合わせてクロールの指導をしてあげて下さい。
ただ、息継ぎだけは重要です。
水の上にある自分の指を見るように、と教えると比較的うまく覚えやすいようです。
まとめ
○まずは遊んで水に慣れさせる
○蹴伸びの姿勢だけはしっかり教える
○ビート板で子供に泳ぐ楽しさを教える
小学校の水泳の指導時間は長くないので、どうしてもできることに限界はあります。
しかしその間に水泳を楽しんでもらうことさえできれば、子供たちは自力で泳力を高めていきます。
そして翌年にはさらに上がった泳力で指導を受けに来てくれます。
子供たちをその正のスパイラルに巻き込めるよう、精一杯楽しんでもらいましょう!