水泳を指導する以上、子供には是非とも水泳を好きになってもらいたいものです。
ですが、水が怖い子供は一定数居ます。
そんな彼らに水泳を気に入ってもらうためには、適切な「浮き方」の指導が最適です。
指導をする前に
子供たちに指導をする前に、指導環境をチェックしましょう。
まず、プールは子供たちの足が付くくらいの深さになっているでしょうか。
顔を出せるだけの余裕、つまり身長から30㎝くらいの余裕がないと子供たちの恐怖をあおってしまいます。
次に、準備体操はしっかり行ったでしょうか。
水中で足が攣るなどの状態に陥ると、その子が水にトラウマを抱えるだけでなく命の危険もあります。
そうならない為にも、しっかり準備体操をしましょう。
それが終わったら、いよいよプールで水泳の練習です。
水に浮く前に遊ぶ
早速子供たちに水に浮いてもらおう、と考える方もいるかもしれません。
ですが、まず子供たちに必要なのは水に慣れることです。
水に恐怖心を持っているとどうしても身体に力が入って浮けなくなってしまいますし、そもそも水泳の楽しみ方を分かってもらえないでしょう。
特にやっておくべきこととして、顔を水につけてもらいましょう。
これをやっておかないと、浮く時に鼻から息を出すことに慣れていないので何度も水が入ってしまい、水がますます怖くなります。
また同じ理由で、ボビング(水中でジャンプして潜っては浮かぶ遊び)もさせましょう。
ボビングは水中で浮く感覚を覚えさせるのにも最適なので、優先的に指導します。
しかも浮きの練習中にバランスを崩して溺れそうになった時にジャンプして息を吸う練習にもなるので、万が一の時の指導としても役立ちます。
浮きの王道だるま浮きとくらげ浮き
ここまでの指導が出来たら、いよいよ本格的に浮いてもらいます。
まず最初に指導するのは、だるま浮きという浮き方です。
これは、顎を引いて両膝を折ってその膝を両手で抱えるというものです。
所謂体育座りの体勢で顎を引いてもらう、と言い換えることも出来ます。
この時、顎がしっかりと引けていれば浮くことが出来ます。
顎を引く感覚というのは水泳のほぼすべての泳法でとても大切なものなので、このだるま浮きでしっかりマスターしてもらいましょう。
だるま浮きが出来たら、次はくらげ浮きです。
と言っても、だるま浮きが出来るなら簡単な浮き方です。
だるま浮きの最中に手足の力を抜いてだらんと垂れさせる浮き方がくらげ浮きです。
水中で感じる独特の浮遊感を味わってもらうのには最適な浮き方なので、しっかり慣れてもらいましょう。
まとめ
○まずはプールで遊んで水に慣れさせる
○だるま浮きで顎を引く感覚を覚えてもらう
○くらげ浮きで水中の浮遊感を味わう
水中は身体が浮く独特の感覚があります。
なので、その浮遊感を思い切り感じる浮き方を教えてあげると、子供たちはその感覚をとても楽しんでくれます。
是非とも子供たちにその楽しさ、ひいては水泳の楽しさを教えてあげて下さい。