皆さんは水泳は4泳法しかないとお思いではありませんか?
実はそうではありません。
日本や世界の歴史の中に様々な泳法がありました。
今回はその中の1つ、日本古来の泳法から生まれた横泳ぎについて迫ります。
横泳ぎは体力を使わずに浮くための泳ぎ
水泳の泳ぎ方には、様々な目的があります。
速く泳ぐ、長く泳ぐ、そして横泳ぎの原型は少しでも長く水に浮き続けるための泳ぎなのです。
嘗て日本に忍者が多くいたころ、彼らは城に忍び込むまたは脱出するために、堀に入ることが多々ありました。
そうした時に浮き続けるための泳法のいくつかが横泳ぎの原型となっています。
従って、大変体力を使わない泳ぎ方です。
女性や子供、高齢者でも簡単に泳ぐことが出来るでしょう。
但し、今後水泳を、特に平泳ぎを学ぼうとしている方はそちらを学んでからにしてください。
平泳ぎと全く逆の足の動かし方をするので、先に横泳ぎを学ぶと平泳ぎが上手に泳げなくなる危険があります。
手は手裏剣を投げるように、足は曲げて・広げて・蹴る
では、横泳ぎはどのように泳ぐのでしょうか。
基本姿勢は、身体を横向きにして顔を水面に出し、胴体の下になる手は先へ伸ばしてもう片方の手は太ももへ伸ばすというものです。
この時、胴体の下の手のひらは下を向き、もう片方の手のひらは太ももを向き、そして両足は揃って伸びています。
ここから、両膝を曲げるとともに両肘も曲げて、両手のひらを胸の前で合わせます。
そして、膝を曲げたまま両足を前後に開き、両手も元の位置に戻し始めます。
この時、胴体の下の手はなるべく抵抗を少なく水面下を滑らせましょう。
逆に、胴体の上の手は水を下に掻き出して浮力を発生させます。
この両手が合わさると、ちょうど手裏剣を投げたような動きをします。
最後に両膝を伸ばしながらもう一度足を揃え、両手はこの辺りで伸ばし切ります。
この間はずっと足首はピンと伸ばしておいてください。
これを「逆あおり足」と言い、平泳ぎの足首とは対極に位置する足首の動かし方です。
まとめ
○横泳ぎは長い間浮かんでいるための泳ぎ
○両手の動きは手裏剣を投げては手を戻す動き
○両足首はピンと伸ばし続ける
水泳指導を行っているプールでも横泳ぎの指導を行っているところは少ないですし、文献も少ないです。
また様々な古式泳法をまとめた泳法なので、異なる横泳ぎが存在することもあります。
ですが同時に、慣れれば最も泳ぎやすい泳法の一つです。
健康の為水泳をしたいが体力に自信がない、といった方はぜひ試してみてください。