水泳を指導する時、水に早く慣れてもらいたいがために焦ってすぐ次の指導へ、次の指導へと進んでしまう方は多いです。
また特に昔の指導で多かったことですが、泳げるようになってもらうためにプールに投げ込むという指導法がありました。
ですが、適切な段階を踏んで指導しないと生徒たちにトラウマを植え付けるだけ、という結果に陥ることもあります。
そうならない為にも、しっかりと段階を踏んだ指導方法を学びましょう。
まずは遊びや顔つけで水に慣れてもらう
水に恐怖心を覚えている水泳初心者の生徒たちを指導するのに一番大切なのは、まず水に対する恐怖心をなくすことです。
その為にはやはり遊びが最適でしょう。
水中での動きに慣れてもらうための鬼ごっこ、水中で目を開けるための水中にらめっこなどが最初の練習に向いています。
しかし生徒が大人の方である場合、遊びを楽しんでもらえないことがあります。
そういった場合は最初から顔を水につける、という指示を出して練習しましょう。
水に対する恐怖心をなくすことが重要なので、遊びでもどちらでも構いません。
浮きの前にバブリングとボビングで呼吸法を指導する
水に慣れてもらったら次の段階として、水中での呼吸を覚えてもらいます。
水に慣れたらすぐ浮きの練習をさせる方もいますが、先に水泳の呼吸法を教えておいた方が安全面でも恐怖心を弱める面でも効果的です。
その為には、バブリング及びボビングと呼ばれる指導法が適しています。
バブリングとは、水に顔をつけては鼻息を出してもらい、水上に顔を出しては息を吸ってもらう、という動作の繰り返しです。
これを繰り返して息継ぎの基本を学んでもらったら、続いてはボビングでより実践的な息継ぎの練習をしてもらいましょう。
ボビングとは、水中にしゃがんで息を吐き出してはジャンプして息を吸う、の繰り返しです。
特にこの指導を行うと、今後の浮きの指導の際に万が一溺れかけても底に足をつけて顔を出す、という手段が取れるようになります。
安全面でも息継ぎの練習の面でも、ボビングは特に念入りに指導してあげて下さい。
だるま浮きとくらげ浮きで浮かんでもらう
ボビングが出来るようになったら、いよいよ浮きを指導する段階に入ります。
浮きもまたいきなり蹴伸びを教えるのではなく、だるま浮きから段階を踏んで指導します。
だるま浮きは上半身を倒して足を抱えた姿勢で浮く浮き方です。
顎を引くことで浮かび上がるので、今後生徒たちに水泳自体の指導を行う際に理解しやすくしてくれます。
そしてだるま浮きが出来るようになったら、くらげ浮きを指導します。
くらげ浮きはだるま浮きの姿勢から手足をだらんと垂らしたもので、水泳独特の浮遊感を感じることが出来ます。
これが出来るようになれば、蹴伸びなど本格的な泳ぎの指導に移りましょう。
まとめ
○水に顔をつけてもらい水慣れさせる
○バブリングとボビングで息継ぎを指導する
○だるま浮き、くらげ浮きで浮きの感覚を掴ませる
正しい手順を踏んだ指導をすることで生徒の皆さんに水泳の楽しみを知ってもらうことが出来ます。
生徒たちに水泳を長く楽しんでもらうためにも、指導は丁寧に段階を踏んで行いましょう。