水泳指導者の皆さんは日々様々な生徒さんを指導していると思います。
指導をする時、皆さんはどのような練習メニューを子供たちに与えているでしょうか。
実は、目標を意識したメニューを組んでみるだけでみるみるタイムが伸びていくのです。
長期目標と短期目標を立てる
練習メニューを組む前に、まずはその生徒さんに合った最終目標を立てましょう。
高校3年時に日本選手権出場、中学3年時にJO入賞、様々な目標があると思います。
次は最終目標に到達するまでを小刻みに考えてみます。
例えば小学6年生を高3時にクロールで日本選手権に出したいという場合は、中学3年でのジュニアオリンピック(JO)出場を目指します。
すると小学6年生から中学1年生までは4泳法の習得に充て、それからクロールの練習に絞ろう、といった考えが出来るようになります。
この時、最初からクロールのみ練習させる方もいると思いますが、子供というのはどこにどんな才能があるかわかりません。
クロールを指導しようとしたら実はバタフライの方が才能がある子だった、などということもあり得ます。
水泳に使う筋肉を鍛える意味でも、各泳法をマスターさせる方が良いでしょう。
そしてその目標を達成するには、どの大会に出場すればよいかを考えます。
これが短期目標となってくるのです。
短期目標が決まったら、そこから割り出した日程を基にいよいよ練習メニューを作っていきます。
常に厳しい練習ではなく体力を慮って練習メニューを作る
水泳の練習メニューは習得させたい泳法の今の弱点がどこか、で変わってきます。
例えばスピードの強化を行う場合は、終盤で速度が落ちて来るのか全体的に遅いのかで分かれます。
終盤で速度が落ちる場合は、100から200メートルの距離をインターバル3分から8分の間で取って、それを10本全速力で泳がせるメニューを取り入れてみてください。
あまり長くない休憩を取らせることで、疲労が抜けきっていない、例えば泳いでいる途中のような状態で全速力を出す訓練になります。
全体的に遅いなら、50から100メートルをインターバル10分以上取って4、5本全速力で泳がせてください。
全速力を何度も出させることで、全速力自体の向上を目指すメニューです。
一方スタミナの強化を行う場合は、3種類のメニューを組み合わせていきます。
まず、余り息が切れない程度の速度で、1本の時間に余裕を持たせて20本以上泳がせます。
この時合計が20分以上になると良いでしょう。
これは酸素の取り入れを強化するメニューです。
続いて先ほどと同様のメニューを、ペースをアップして行います。
こちらは筋肉の疲労に対する耐久度を上げるトレーニングです。
最後に、スピードアップ用のメニューの内、終盤で速度が落ちる時と同じメニューを行います。
疲労に対する耐久を上げるメニューなので、こちらにも通じる為です。
ただ、出したい大会が何時になるかによってもメニューは変わってきます。
先ほど短期目標を立てたのはこのためです。
大会1週間前などはフォームの矯正などあまり体力を使わない指導を多く行い、これらのような体力を消耗するメニューは行わないようにしてください。
また、大会があまり近くないときも同様です。
大会が徐々に近づいてきている1月から2月前にこれら厳しいメニューを開始してください。
大会直前では体力消耗が激しいですし、大会まで間があればフォームを整える方が練習の効果が高くなります。
まとめ
○短期間(出場大会にもよるが3か月周期程度)の目標を立てる
○スピードアップメニューは速い泳ぎを数本インターバルを空けて
○スタミナアップメニューは長距離泳と短距離泳を組み合わせる形で
水泳のメニューというのは指針がはっきりせず、身体に個人差もある為中々立てづらいものです。
しかし、だからこそしっかりした練習メニューが指導には大切なのです。
最後に、これらはあくまで一例です。
個人に合わせて指導を強く、或いは弱くするなどの調整してください。