水泳で用いられる4泳法の中で、平泳ぎというのは変わった泳ぎ方です。
元々が遠泳の為に作られた泳法なので、スピードを重視していません。
そんな平泳ぎをスピードアップするために、徹底的に抵抗を減らす泳ぎ方に変えましょう。
息継ぎを低くして抵抗を減らす
平泳ぎで息継ぎをすると、当然顔が前を向きます。
また、この時が最も身体が斜めになるときです。
つまり、最も水の抵抗を受けやすいのがこのタイミングです。
当然、スピードアップのためにはこの抵抗を減らす必要があります。
トップの水泳選手などは上半身の途中まで出していますが、これは水中にある身体を減らして水の抵抗の合計を減らす、という手段を用いています。
しかし、これは筋力が極めて強い彼らだからこそできる泳ぎ方です。
私たちの筋力では上半身を出す泳ぎ方など出来ませんので、逆に顔を高く上げないようにして少しでも身体が斜めにならない様注意しましょう。
また、顔を上げようとして力むのも良くありません。
身体が力むと沈んでしまう、というのは皆さんが水泳を習うごく最初に学んだことと思いますが、スピードアップしようとするとつい忘れてしまいがちです。
また、力むとどうしても身体が曲がってしまい、抵抗を増してしまいます。
脇を締めるタイミングで顔を上げることで、脇を締めて下に送り込まれる水の流れをそのまま利用できるので顔を上げても身体を力まなくできます。
リカバリーは高速に、引きは同時に
平泳ぎが水の抵抗を大きく受ける要素として、リカバリーがあります。
他の泳法は水上で行うので抵抗はないのですが、平泳ぎは水中で行うので抵抗を大きく受けます。
水をキャッチしてから呼吸するまでは水を掴むことを意識して大きく掻きます。
しかし、その後は脇を締める勢いを利用して一気にリカバリーします。
この時手は抵抗を生まない程度に、しかしなるべく早く合わせて流線型にしましょう。
またこのタイミングでキックの足の引き付けを行っておくと、抵抗を一度に受けることで結果として減速の合計量を減らすことが出来ます。
水の抵抗は速度の2乗に比例するためです。
そしてそのまま手を前でそろえ、同時にキックを放ちます。
平泳ぎの推進力は殆どこのキックで生まれるので、キックの後は抵抗を減らす姿勢になりしょう。
つまり、少しの間蹴伸びをしてキックで生まれたスピードを生かすのです。
そしてスピードが落ちてきたら再び水を掻きましょう。
気を付けるべきは、蹴伸びをする時間は水を掻いた後の速度やキックの速度によって異なるということです。
こればかりは個人によるので、練習で蹴伸びの時間を調節してどの程度の時間が良いか確認しましょう
まとめ
○息継ぎは顔を低くする
○リカバリーはなるべく引きを高速に、流線型に突き出す
○キックはリカバリーと同時に引き付け、放ってから伸びる
平泳ぎはその特異性故、スピードアップには通常の泳法と異なる泳ぎ方が必要になります。
これらのポイントをしっかりマスターして、より平泳ぎを素早く泳げるようになりましょう。