学校での水泳の授業では、スイミングスクールとは違い、必ずしも水泳に対してポジティブなイメージを持つ子供たちばかりいるとは限りません。
そのため、ただ単純にみんなで一斉に、決まりきったことばかり指導するのではなく、指導に変化をつけることが必要です。
ここでは、そのような指導の一環として、水泳の指導にゲームを取り入れるとよい、その3つの理由について解説します。
3つの理由のうちの、基本的な2つ
理由その1:毎日の学校生活に変化をつけるため
普段、学校の授業では、子供たちは一斉に同じ指導を受けますが、時には退屈になることもあるでしょう。
特に屋外のプールでは、水泳の授業は夏季に限られるともあって、水が苦手な子供たちもいる反面、水泳の授業を心待ちにしている子供たちも多くいます。
期間が限られている分、ゲームを取り入れた指導を行うことによって、子供たちが楽しんで学び、学校生活の良いアクセントとなることが、その理由の一つとなります。
理由その2:誰でも水に慣れ親しめるようにするため
学校での水泳の授業では、すいすい泳げる子供から、全く顔のつけられない子供まで、様々な子供たちを指導しなければなりません。
水泳は、スポーツやレクリエーションの側面を持つ一方で、万が一、水難事故に巻き込まれた際の身の安全を守るためにも、誰もが押さえておかなければならないものです。
そのため、全員が挫折することなく、水に慣れるためには「遊びの要素」が必要となります。
それにはやはり、ゲームを取り入れることが、いちばん最適なのです。
応用編の3つ目の理由と、ゲームの一例
理由その3:楽しみながら技術を学ぶため
泳ぐために必要なストロークやキックの練習は、一般的には、指導の先生が説明してから、みんな一斉に練習を行います。
けれども、こうした技術の指導にも、ゲーム的な要素を取り入れることによって、子供たちが楽しんで学ぶことができます。
また近年、学校の授業で取り入れられている着衣泳などは特に、ゲームを取り入れることによって、子供たちが楽しみながら、着衣のままの入水の難しさを学べることが期待できます。
指導に役立つゲームの一例
ほんの一例ですが、指導に役立つゲームの一例をご紹介します。
「碁石拾い」
プールに撒いた碁石を、潜ってあるいは足を使って拾い上げる、誰でも楽しめるゲームです。
碁石以外のものを利用して「宝探し」というような名前でも知られています。
ルールのカスタマイズが容易なこともあり、子供たちが水慣れするためのゲームとしては、最も有名なものの一つです。
おそらく一度は、皆さんも行ったことがあるのではないでしょうか。
流れるプール
ウォーミングアップ的要素が強いゲームです。
子供たち全員一斉に、プール内で同じ方向をぐるぐる回り、先生の号令で一斉に逆回りに回らせるようにします。
逆回りに回り始めた際、それまでの水の流れに逆らって回りますので、楽しみながら水の意外な力を実感できるでしょう。
ばた足相撲
2人1組になり、両手を伸ばした状態になってうつ伏せで浮き、お互い伸ばした両手を合わせます。
お互いばた足をしながら押し合って勝ち負けを競います。
楽しみながら、クロールの際の力強いばた足を身につけることができます。
他にもWebや専門書では、水慣れから泳ぐ技術・潜る技術に至るまでの指導に役立つ、様々なゲームがご紹介されていますので、ご参考になるとよいでしょう。
まとめ
水泳の指導にゲームを取り入れるとよい理由として、以下の3つが挙げられます。
(1)毎日の学校生活に変化をつけるため
(2)誰でも水に慣れ親しめるようにするため
(3)楽しみながら技術を学ぶため
学校での水泳の授業は、誰もが水の性質を知り、そして水に慣れるという観点からも、非常に重要なものです。
限られた授業時間で子供たちを指導するためには、ゲームの要素を取り入れることによって、子供たち一人ひとりの心に響かせることが、大きな鍵を握ります。